古場地区はは常滑市中南部、小鈴谷の北あたり.
古場には明治の末頃に地元の大工により上山のない小振りの山車がありました.
上山には獅子館を乗せ曳き廻していたといいますが、15年ほどで獅子館は壊れ、その後上山を製作し竹ひごに上の造花を付けたものと提灯で飾り曳き廻したそうです.
当時の写真を見ると簡素な知多型のように見受けられます.
当初は若衆組によって運営されていた組織は後に青年団によって行われることになりましたが、青年団への入団者も徐々に減少し、昭和44年には団員5名となってしまいます.
この年は何とか山車は組み上げたものの、警察への曳き廻し届けは許可されず、曳き廻しは中止となってしまいました.
以後山車を組み上げる事もなく、部材は廃棄されてしまったといいます.
<以上 常滑市祭り推進委員会編「古場の祭り」(平成13年調査)より
このように長らく山車祭りが行われなかった古場地区ですが、今年45年ぶりに復活することになりました.
山車は兵庫県で曳かれていただんじりで、当地で若干の改修ののち『古場車』と名付けられ今回デビューとなったものです.
神明神社です
山車を正面から
輪懸と車輪
有名な岸和田などで曳かれるだんじりとは違い、車輪が台輪の外にあり、担い棒と呼ばれる梶棒状の材が周囲を囲っています.
当地でも本体の大部分はそのまま流用され、車輪を大きくし輪懸を設けたのが主な改造箇所です.
梶棒は元々の担い棒を削って再利用しているとのこと.
最大の変更箇所は山車の進行方向で、当地では前後を逆にして曳くことになります.
だんじりで言う「小屋根」を知多型の「前山」に見立てるのですが、全く違和感を感じさせません.
屋根です
後方から
側面には彫刻が入っています
ここに乗って囃します